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ソーシャルワーカーとしての大槌町での活動
Category: FEATURE ボランティア活動 支援情報 2011.06.16

はじめに

福岡で発達障害児者と女性のための相談事務所を経営している今泉と申します。音楽と絵が好きな普通の働く主婦です。

6月5日~11日の7日間、(社)日本社会福祉士会を通じて岩手県大槌町の地域包括支援センターでボランティア活動を行って参りました。このたび、藤井華丸さんにお声をかけていただき、ONE HEART JAPANさんのサイトに記事を書かせていただくことになりました。

ソーシャルワーカーとは、様々な相談を受けて支援活動を行う福祉専門職です。社会的に弱い人の権利を護るという視点で活動しています。ボランティアをオーガナイズすることもソーシャルワークの一つです。私の場合は発達障害児者とそのご家族の相談、学校での不登校や子育て相談(スクールソーシャルワークといいます)、女性の権利擁護相談などが主な活動です。それ以外に、文章を書いたり、大学や依頼された講義などで自分の考え方を伝えたりもしています。このように社会に働きかけることをソーシャルアクションといい、ソーシャルワーカーの大事な仕事のひとつです。ここで文章を書かせていただくこともソーシャルアクションの一つだと考えています。

私は社会福祉士という国家資格を持っていて、その全国組織に入っているので、今回は(社)日本社会福祉士会(以下 社会福祉士会)のボランティア派遣システムを利用して被災地支援に赴くことにしました。その方が自分の専門性を生かして、被災地でのお役に立てると思ったからです。

1.ボランティア派遣システムと準備

ボランティアの語源は「志願者」です。ですから、このサイトの方々のように自ら思い立って活動している方々はボランティアですが、職場の命令で活動することはボランティアと言いません。もちろん、どちらも意味ある活動です。

社会福祉士会では会員に被災地で活動したい志願者を募り、被災地のニーズ(必要性)を調べ、コーディネートしてくれます。具体的には、活動期間のマネージメントや活動拠点の用意、一日3000円の活動費の支給などをします。活動費は社会福祉士会への募金で賄われます。

個人レベルでは現地へのアクセスや現地での滞在にかかるものはすべて自分で準備します。ボランティアの基本です。私は昔バックパッカーだったので、久しぶりに大きなリュックとシュラフ、身の回りのものをすべて抱えて行くことにしました。また、仕事の調節、子どもを誰が見るかなど、日常の整理も必要でした。

2.被災地での活動

私は岩手県大槌町の地域包括支援センターに派遣されました。皆さんも報道でご存じかもしれませんが、大槌町は15000人くらいの小さな町の1割の方が津波でいなくなってしまいました。しかも、町役場が津波にのみ込まれたため、1/4の行政職がいなくなり、町長以下主な管理職がいません。町の大事なデータもすべて流されてしまい、行政機能を失った町です。私はその福祉課で高齢者のデータベースを再構築するお手伝いをすることになりました。

包括センターは高齢者をよく把握されていた職員の方が犠牲になり、自身も家族を失った新人職員の方々とともに再出発されていました。驚いたことに、まだ町は「今誰が町内にいるのか」ということすら把握できていませんでした。戸籍制度始まって以来の出来事でしょう。住基ネットはありますが、「行方不明」の方が多いため戸籍に反映されていないこと、住民票を移さず町外に避難されている方が多いことなどが原因です。少ない職員、災害対応の業務のため、通常の仕事が行えない状態でした。そのため、私たちボランティアは、職員の方が本来の仕事をなるべくできるように雑務を肩代わりしたり、高齢者の調査を行ってそのデータを整理したりと、地味ですが意味ある活動をさせていただきました。誰にでもできる作業もありましたが、個人情報満載の資料を読み解き、住基ネットにアクセスしてデータを整理することは、守秘義務を持ち、身元が保証されている我々だから許されているわけですから、気を引き締めて活動しました。戸籍や調査票からも被害の様子がうかがわれ、あの日を思いながら作業をしました。

3.被災地の様子

私が寝泊まりし事務作業をする活動拠点は大槌町の隣、釜石市にありました。というのも、大槌町の中心地は壊滅状態で、まだ寝泊まりする状況ではなかったからです。

被害の全くなかった拠点から車で釜石市街に入ると突然ゴーストタウンでした。リアス式のため、大槌町まで壊滅、日常が繰り返され、生死を分けた境目がはっきりとわかりました。

まだまだ瓦礫の撤去は進んでおらず、乗り上げた船、逆立ちした車などがまだたくさん残っていました。地元の方はご遺体をみつけたいという気持ちが強く、一生懸命捜されたり、願をかけされたりしているお話を伺うと胸が痛みました。

活動上、避難所で被災者の方のお話を伺う機会が多くありました。優しい東北弁で、あの日の恐怖、近しい方を失った悲しみ、今の生活の辛さ、今後の不安を伺っていると、まだまだ、復興だ!がんばろう!というところまで行けてないと感じました。

さいごに

今回の活動で、被災地と西日本の温度が想像以上に乖離していると感じました。まだ元気が出なくて当たり前の時期だと思います。長い長い闘いになるはずです。無理してでも、元気を出せばいいものではないでしょう。ゆっくり回復していくことに寄り添うような支援が必要だと感じました。

今、意味ある支援は、現地ボランティアと義援金の寄付だと思います。

岩手はアクセスが悪いためボランティアが少ないようです。岩手県に限らずボランティアのオーガナイズを上手に行っているのは、県や市町村の社会福祉協議会です。岩手の場合は遠野市に県外からのボランティアを受け入れて派遣している拠点があると、現地で会った瓦礫撤去のボランティアさんが仰っていました。

実は、食品、身の回り品などの支援物資はあふれかえり、消費が大変な状態でした。これから被災者のみなさんは、避難所での支給される生活から、仮設住宅での自律的生活に移行します。義援金は支援金と違って個人が使える自由度の高いお金ですから、まだまだ必要です。

今回私の活動のために、クライアントさん、職場のみなさん、家族に多大な迷惑をかけました。しかし、誰一人不満を言わず、快く送り出してくれました。このように、被災地で活動するだけでなく、被災地を思って我慢する、負担するようなことも、立派な支援活動だと思います。

大槌町という小さな町でたった7日間活動した者の報告でした。皆さんのアクションのきっかけになればと思います。

参考URL:

●通常はくだらない日常を書いているブログですが、被災地での日記をUPしています。

6月5日
http://blog.goo.ne.jp/bali_tokage/e/84793655bc2022ad9452f1ddddd5c1aa
6月6日
http://blog.goo.ne.jp/bali_tokage/e/deb83a70d5dd983c013ba473f43ae278
6月7日
http://blog.goo.ne.jp/bali_tokage/e/3bc51c975be8358bc9797c5ca225256c
6月8日
http://blog.goo.ne.jp/bali_tokage/e/e3f9ac4db9bfcf80062599433895ca95
6月9日
http://blog.goo.ne.jp/bali_tokage/e/64f7a71d1da9dee6de8d04b3ced65bc0
6月10日
http://blog.goo.ne.jp/bali_tokage/e/fba9b14b7ed0f38147d1402e314e1efb
6月11日
http://blog.goo.ne.jp/bali_tokage/e/a6686dd3b17d020d3c03da2463daef7f

●オフィスぷらんぷらん

http://www1.bbiq.jp/pelan-pelan/